三番目の死とは、表現の自由の死
- 投稿日:2017年 8月11日
- テーマ:理念
妻とポーランドのアンジェイ・ワイダ監督の遺作「残像」を観てきた。
ワイダ監督が私たちに残したメッセージは
「三番目の死」を私たちは阻止しなければならない。
では、三番目の死とは、何か。
一番目は、1952年12月28日の画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの死
二番目は、映画の抵抗3部作に生涯こだわりながら、60年も映画監督を勤め、映画『残像』を遺して亡くなった、2016年の監督アンジェイ・ワイダの死
三番目の死とは、表現の自由の死
ワイダ監督が、遺作として描く映画『残像』のテーマで浮き彫りになった三番目の死とは、
言論表現の「自由の死」のことである。ワイダ監督が体験した社会主義的全体主義であれ、
昨今、世界に吹き荒れるウルトラナショナリズムであれ、権力者の専横は、国民にとって、
表現の自由の死を招く。
ワイダ監督は、三番目の死への警告を発したまま、逝去した。
その警告とは、基本的人権としての「抵抗」の復活への呼びかけだろう。
2017年6月、日本では国会で共謀罪(テロ等準備罪)が可決された。
執念深い国家権力は、言論表現の自由を圧死させようと手を変え品を変え襲ってくる。
遺作『残像』を通じての彼からのダイイングメッセージは、「抵抗をせよ」。