年末の風物詩 餅つき
餅つきは昔、日本の年の暮れの風物詩のひとつでした。
我が家では、毎年恒例行事として餅つきをし、
鏡餅やのし餅を作っておりましたが、
今年は妻も忙しくどうも餅つきはできそうにありません。
さて餅つきは、12月28日か12月30日に行うことが多いですね。
祖母が生きている時に、29日は「苦持ち」といい、
九が苦に通ずるから縁起が悪いと再三聞かされておりました。
逆に福(29[ふく])をもたらすといって、この日に餅つきをするお寺もあるそうです。
我が家の息子たちが小学生の頃までは、臼と杵で本格的に餅つきをしました。
私は杵を振りお餅をつく係、母は方言で「えんどり」といってお餅をひっくり返す係です。
二人は息を合わせながら、ついては餅を返し、むらなく、きめ細かくつきあげます。
えんどりする人はぬるま湯で手を湿しながら、餅を折り畳むようにします。
この餅を折り畳む時に空気も一緒に混ぜ込まれることで、ふんわりとしたお餅に仕上がります。
餅を焼いた時に風船の様に膨らむのは、中に空気が入っている証拠なのです。
このえんどりの少ないお餅は、空気が入らないので硬い餅となるのです。
母が介護を必要としてからは、えんどりも出来ないので
餅つき機械を使用して年末恒例行事を続けてきました。
機械を使ったお餅の肌は、どうしてもむらができニキビ面になります。
臼でついた餅は、その名の通りもち肌で美しいものでした。
母が亡くなって10年、機械での餅つきも今年で
途切れそうです。またひとつ風物詩が消えていきますね。