槍は通すもの

  • 投稿日:2023年 4月13日
  • テーマ:その他


朝晴れエッセー新聞配達9月29日.jpg

(2020.1.3 朝晴れエッセーへの投稿より)
 
*季節外れのお話ですが感動したので紹介します.

北日本で「ドカ雪」のニュースを見て、私は50年前を思い出した。

結婚相手の家族に会うため、1月2日に晴れ着で大阪発の
特急白鳥号8時発に乗車。隣の席には60歳代の紳士。

特急は新潟の糸魚川までやっとたどり着いたとき、
車内アナウンスで「猛吹雪で進めません。大阪へ戻ります」とのこと。
私は山形県まで行きたかったので、
「困ったなぁ。やりきれませんね」とつぶやいたら、
その人は「槍(やり)は切るものではありません。
通すものです。やり通しなさい。」

私は旅行の目的を語っていたので、続いて、
「貴女(あなた)は米原で下車して東京へ出て、東京からは...」
と親切に教えてくださった。

糸魚川の駅長室から彼の家へ電報を打ち、
相当時間遅れ遅れして、山形県に到着した。

その後、3月に挙式し、昨春、結婚50周年となった。
98歳の元気な兄や姉、妹に会いに行ったとき、
兄は「Y子さん、よくもったね」と言われたら、
主人はすかさず「お互いさまや」と笑った。

「槍通しなさい」と言われた初老の紳士にいま、再びお礼を言いたいと思った。

その人は、「大阪へ戻り、飛行機で北海道へ行きます」と語っておられたが、
今頃は天国におられると思う。

天国に向かって。
あの一言は大変な雪の中を、草履がズーっと沈むホームを進み、山形へ行きました。
いまの幸せがあるのは、あの一言「槍通しなさい」でした。
 佐藤友伎子(79)

ある一言で人生が変わることが


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