母ちゃんを通わせたい施設8「究極の幸せ」
- 投稿日:2022年 2月18日
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母が、なに不自由ない暮らしをしながらも、「死にたい!」と発する気持ちが
ようやく分かるようになったのは、亡くなってから数年程経てからでした。
あるセミナーに参加し、日本理化学工業の故大山泰弘会長のお話を聞く機会がありました。
大山さんが、「究極の幸せとは何か?」を語り始めます。
「導師(禅寺の僧侶)は人間の究極の幸せは
人に愛されること、
人にほめられること、
人の役に立つこと、
人から必要とされることの4つと言われました。
働くことによって愛以外の3つの幸せは得られるのだ。(と言いますが)
私はその愛までも得られると思う。(元会長 大山 泰弘)」
私はこのお話を聞きながら、母の苦しみの本質が見え泣いていました。
私が母にやったことは、鳥かごの中に母を追いやったことと同じことでした。
快適な空間で餌を与えられていても、家族からも必要とされていないと感じていたに違いないのです。
下手でも良いから、家族のために夕ご飯を作り、
服のほころびを縫って直してあげたかったのでしょう。
家族のために全力を尽くしてきた母だからこそ、
役に立たない自分の身体が不甲斐なかったのかもしれません。
しかし今となっては想像するだけです。
誰もが、人生の最後まで残存能力をいかし、
おせっかいを焼いて人のお役に立つことで褒められ、
必要とされ、そして愛される。
そんな社会を創りたいのです。
石川シュウジ