人間万事塞翁が馬(その3)
- 投稿日:2022年 5月 3日
- テーマ:その他
高校2年生の秋の県大会先人戦で、400m継走3位の表彰台に上った私は有頂天になります。
消去法ではありますが、各高校のエースが走る2走で負けなかったことが、
私の大きな自信となりました。
ハンマー投げの選手がリレーを走ることは珍しく、
「お前、リレーにも出るのか?」と驚かれたものでした。
本職のハンマー投げは、指導者もいなく自己流での練習が続きます。
記録もベスト8を行ったり来たりとパッとしません。
その後一冬経て、一回り大きくなった私は
春の地区予選会や春季陸上記録会でも、好調を維持します。
大会では肩で風を切って歩く程、それ位自分たちの走りには自信を持っていました。
そして迎えた高校総体県予選会。負ける訳がないと走ると、
予選、準決勝と一位のタイムで通過します。「俺たちは強い!」と感じたものです。
決勝直前、サブトラックでバトンの練習をしている時に、
顧問の遠藤先生が「お前たち、優勝するつりか?冗談、冗談!」と笑って声を掛けてきます。
次の瞬間から頭には「優勝」の2文字がチラつきます!
そして迎えた決勝。優勝を意識してかガチガチに固まってしまい、バトンのミスが重なります。
結局準決勝より1秒もタイムを落してしまい
7位と惨敗。6位まで東北大会に出場できたのに
それさえも逃してしまいました。
「人間万事塞翁が馬」今はそう思えますが
当時は、ショックでしばらく立ち上がれませんでした。
石川シュウジ