「ハレ」と「ケ」(料理)
古来より「ハレ」と「ケ」を区別する考え方が私たち日本人にはありました。
日本人は、普段通りの日常を「ケ」の日、祭礼や年中行事などを行う日を「ハレ」の日と呼び、日常と非日常を使い分けていました。
しかし毎日が「ハレ」のようになった昨今では、正月といっても会社や学校が休みである以外には格別特別なときでもなくなってきました。
おせち料理など作らなくてもコンビニは空いてるし、もちなど別に正月でなくても、いつでも食べられる。正月といっても、着物を着る人も最近では少ないですね。
さて妻の実家で祝うお正月。
食卓にはおせち料理と雑煮が並べられました。
今回は遠く鹿児島からのお客様があるということで、ことさら立派なおせち料理となっています。
ところでこの「おせち料理」は、「めでたさを重ねる」という意味で重箱に詰められます。各段ごとに詰める料理が異なり、「この段にはこれを詰める」というルールと、素材や料理に込める意味があることえを知りました。
三段重の場合は1番上にくる「一の重」には、祝い事にふさわしい祝い肴(ざかな)と口取りを詰めます。口取りとは、かまぼこやきんとんなど酒の肴になる甘めの料理のことです。
「二の重」は、縁起のいい海の幸を中心に焼き物を詰めます。
山の幸を中心に、家族が仲良く結ばれるように煮しめを入れる「三の重」。
今回のお重のお品書きには、それぞれの料理の名前や素材、調理方法が書かれてありました。
しめて総数54種類もの料理で構成されたお重、まさに「ハレ」の日を祝うものです。
これまで我が家でのおせち料理は簡単なもので済ませておりましたが、改めてその意味を知り味わう今年の正月。
妻は来年は我が家でもこのお重のおせち料理を注文してみようかしらと母と話しております。
これだけの種類を自分で作るのは家族の少なくなった現代では難しいようです。
私は飲んで食べるだけなので、あまり期待ぜず待ってます。