人材の三層構造
- 投稿日:2023年 5月13日
- テーマ:理念
今から20年程前に、北上市の視察団として上海と
その近郊の工業団地を訪問したことがある。
北上市にゆかりのある会社を訪問した際に、
10代と思われる工員が旋盤加工機を使って作業していた。
現地法人の工場長は日本人で、雇われている社員はみな中国人。
それも田舎から出てきた、中卒や高卒の若い人材が、
元気に生き生きと働いていた。活気がある!
視察団の一人が工場長に質問した。
「言葉の壁があり、技術を教えるには大変ではありませんか?」
工場長:「いいえ全く問題はありません。彼らは、じっと先輩のする仕事を見て覚えます。」
視察団:「手取り、足取り教えなくても大丈夫ですか?」
工場長:「二日でも三日でもじっと見て覚えます。彼らは仕事があること、自分のベッドがあること、
三食ご飯が食べられること、その上給料が貰えることで幸せですから文句は一切言いません!」
これを聞いた私はショックを受けたものです。
私の3人の子どもなら30分すると飽きて不平不満を言うことが見えたからです。
その後数社を見学しても、皆生き生きと働いています。
聞くと田舎で待っている家族に給与のほぼ全額を仕送りし、
自分の物は一切買わないとのことでした。
視察に行くまで、私たち日本人の勤勉な資質やスキルを
中国人が超えるには時間が掛かると考えていました。
しかし実際に行ってみると、仕事に対する姿勢が全く違います。
心構えが前向きで仕事をしています。
20年経った今では、中国人どころかベトナム人・タイ人・ミャンマーにさえも
私たち日本人は、スキル、資質でさえも抜かれているようです。
仕事や人生に対する全てのベースになるのは、
姿勢や心構えであることを忘れてはなりませんね。
石川シュウジ