家紋
- 投稿日:2023年 7月 4日
- テーマ:その他
昨日、この通信に家紋のことを書きました。スタッフと利用者様の会話の中でも、
家紋について話題となったようです。
「私の旧姓は〇〇で、家紋は〇〇なの!」とても嬉しいことです。
現代の結婚は、当人同士の意思で契約をすることで成立していますが、
ご利用者様の年代や私の年代(昭和36年生まれ)では、
まだまだ家と家の結びつきが大きかったといえます。
かつては、結婚前の女性が嫁入り道具として喪服を仕立てる場合がありました。
実家の家紋を入れたもので「実家で作って持たせてもらいました」という意味があったようです。
葬儀で親族が並んだ際、誰が血縁で、誰が嫁かが一目で分かるという意味合いがあると言われています。
結婚してから喪服を仕立てる場合は、嫁ぎ先、つまり夫の家の家紋を入れるのが一般的です。
昨年姪の結婚式が明治神宮でありました。妻が黒留袖を出してみると汚れがあり
クリーニングしなければならなくなったのです。
どうやら結婚式に間に合わないかもしれないということになり、式場でレンタルすることを考えます。
そこで問題になったのが家紋です。ところが今は着物の上からしっかり簡単に貼れる家紋シールがあるので心配ないとのことでした。結局はクリーニングが間に合ったので、レンタルすることはありませんでしたが、
格式高い式場では様々な要望に応えることができるものだと感心したものです。
黒留袖は、着物の中でも最も格式が高いもののひとつで、既婚女性の正礼装です。
そのため、紋も最上格の五つ紋を付けます。
背紋、袖紋、抱き紋すべて、格の高い染め抜き日向紋を付けるのが正式です。
家紋は一族を象徴する印なので、この文化は後世にもしっかりと伝えていきたいものですね。
石川シュウジ