判官贔屓(ほうがんびいき)
- 投稿日:2023年 7月12日
- テーマ:その他
毎日、高校野球の熱戦が伝えられていますね。暫くは野球の話題に事欠かないようです。
さてあなたは、「優秀選手を全国からスカウトしている強豪私立校」と
「地元の選手のみで勝ち上がってきた公立校」が対戦するとしたら、
どちらを応援したくなりますか?
日本人は、弱い者や敗者に同情して肩を持ったり、応援したくなるものです。
これを判官贔屓と呼びますが、これが源義経に由来することはご存じかと思います。
義経は判官という役職を務めており、「九郎判官義経(くろうほうがんよしつね)」とも呼ばれていました。
九郎は"九番目の子供"からきています。
歴史の専門家によると、日本人には、もともと「弱きを助け、強きをくじく」
という言動に喝采をあげる習慣があったのだそうです。
そこに典型例としての「源義経」が出現し、歌舞伎や物語を通して庶民に広まっていきました。
昔から、一般の民衆は時の権力者に対しては無力でした。「判官びいき」、
すなわち「弱い立場の人をひいきしたくなる感情」は、強い立場の存在に
なかなか表立って不満を表明できない日本人の性質を表しているのかもしれませんね。
義経の最後は、平泉の館で兵に囲まれ、一切戦うことをせず持仏堂に籠り、
まず正妻の郷御前と4歳の女子を殺害した後、自害して果てたと言われております。
しかし、衣川の戦いで死ぬことなく、生き延びて大陸に渡り
チンギス・ハーンとなって大帝国をつくりあげたという北帰行伝説が
みちのくの各地にあります。
この夢のような伝説も、義経に対するみちのくの民が抱く
判官びいきが起こしたお話になるでしょう。
いまだに義経の人気は衰えを知りません。
石川シュウジ