知らんけど
- 投稿日:2023年 6月22日
- テーマ:その他
私には大阪の友人が多くいて、みな仲が良い。とても付き合いやすいと感じています。
大阪の友人と話していると独特の言語感覚に、面白いと感心してしまうことが多くあります。
ある時、会話の最後につけがちな言葉があることに気がつきました。
その言葉は、「知らんけど」。
大阪人は頻繁に「知らんけど」と最後に言います。
例えば道を説明された後「知らんけど」と言われると、
「えっ?本当に信じていいの?」
と大いに戸惑うこともありましたが、今はすっかり慣れました。
大阪人はなぜ「知らんけど」を使うのかを調べてみた。
あるおっちゃんは「大阪の文化として、責任を取りたくない」からだと言う。
続けて「大阪人はイキってる人間に厳しいからだ」と解説する。
「物知りやと思うとるな、賢ぶっとるな。そう思われたくない。」
何かの知識を口にしても、知らんけどをつけると「偉そうさがなくなるやん」と言うのだ。
確かに東京の人は、物知り顔で話す。私が東北人なのを知ってか、
「そんなことも知らないの?」という態度を取ってくる。
田舎者を下に見ている嫌な感じがする。
大阪人は、ハッキリものをいうがサバサバして付き合いやすい。
「知っているから言うけど、エビデンスはないよ。」
なるほど、偉そうな感じが全くしない。
私たち東北人は、その場の空気を読んで相槌を打ったり、
別の意見があるにも関らず忖度して相手に合わせてしまう傾向がある。
ムラ社会では、その場での自分の順位付けを知らず知らずにしているのかもしれない。
未だにムラ意識が抜けず、どうも生きにくい社会である。
ところが会議も終わりお酒が入ると東北人は別人のように
饒舌になる。とにかく面倒くさい!
最初から意見を出し合うには、絶対安心の場であることが重要な条件だが、
そんな条件を整えることよりも言葉の最後に
「知らんけど~」と付け加えることが簡単だと私は思う。
石川シュウジ