日本人よ! 胸を張りなさい!
老台北(ラオタイペイ)こと蔡焜燦(サイ・コンサン)さん享年90歳が、
ご逝去されたのが2017年7月17日。早いもので6年が経過しました。
作家・司馬遼太郎の『台湾紀行』(『街道をゆく』シリーズ第40巻)の中で、
老台北(ラオタイペイ)と紹介されていることは有名なお話しですね。
私は7・8年前に台湾を訪問。本の中に書かれていた司馬遼太郎と蔡焜燦が初めて逢った、
台北の老舗アンバサダーホテルに宿泊したことがあります。
「台湾紀行」を片手にしながら、ホテルの中を散策し、
二人が出逢ったであろう場所を探したものです。
さて蔡焜燦さんは、大の親日家という範疇を超え、私たち日本人に
胸を張りなさいと日本精神(リップンチェンシン)を生涯貫いた方になります。
蔡さんの信条は、台湾総督府で戦前、民政長官を務めた後藤新平の言葉でした。
「金を残して死ぬものは下だ。仕事を残して死ぬものは中だ。人を残して死ぬものは上だ」
日本精神とは「社会という『公』に尽くす心」であり、蔡氏は1人でも多くの日本人や台湾人に、
私財をなげうって「公の精神」を伝えてきました。
蔡さんは数多くの「人」を残して、旅立って行ったのです。
蔡さんは、日本人として祖国を誇りに思い、そして台湾人となってからも
日本を愛し、憂い、励まし続けました。
改めて「台湾紀行」を読みかえしてみたいものです。
石川シュウジ
明日は、日本精神(リップンチェンシン)について書きます。