お内裏様とおひな様
- 投稿日:2024年 3月 1日
- テーマ:その他
3月という新しい月に変わりましたね。もう直ぐひな祭りなので、少しトリビアのお話をしてみます。誰もが知っている「うれしいひなまつり」の歌詞に、「おだいりさまとおひなさま ふたりならんですましがお」とあります。
そもそも内裏(だいり)とは、天皇の私的区域の名称ですので、お内裏様というのは、天皇と皇后のおふたりというのが正解なのです。そしてお雛様の意味も、男雛と女雛のふたりで一対を表しているのです。
雛飾りは「天皇の結婚式」を模したものです。つまり、主役として飾られる男雛と女雛は天皇陛下と皇后陛下を表しており、天皇皇后のような幸せな結婚を願うという想いが込められています。
つまり、お内裏様とお雛様が並んだ状態というのは、ふたりではなく「4人」ということになってしまうのかもしれません。
一般的には「お内裏様=雛飾りの上段に飾られる男性の雛人形」、「お雛様=雛飾りの上段に飾られている女性の雛人形」と解釈していると思いますが、本来は間違いなのです。
これには「うれしいひなまつり」の大ヒットが影響しているからです。作詞を担当したサトウハチローは、後日間違いに気づきましたが、それこそ後の祭り。ハチロー家では、ひな祭りの話をすることはタブーだったようです。
間違いではありますが、それを正すよりも、サトウハチローが幼い女の子の成長を願って作った優しい気持ちを評価したいものですね。
石川シュウジ