母ちゃんを通わせたい施設10「奪う罪」

  • 投稿日:2022年 2月21日
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母の為に暖かい家を新築し、温度差と段差がなく快適な空間を作り、
なに不自由ない生活を提供した私。
これでやっと親孝行できると少し安堵しておりました。

 家の中には段差が無く、杖があれば自分で歩ける母なのですが、
日中一人で居ることが多いので転倒するのが一番の不安となります。
そこで私は車椅子を準備、床がフラットなので家の中で自由に動けることを優先させました。
母は立って家事をすることができなくなってきたため、
お昼ごはんも妻が朝に作ったものを電子レンジで温めて食べるように準備。
介護用のベッドを購入し、電動で楽な姿勢で立ち上がれるように設置。
もちろんトイレや洗面所、浴室には手すりを取付て安全を確保します。

 次第に、考えられるリスクをできる限り排除した家となっていきました。
しかし母の口からは「早く死にたい!」を繰り返すばかりです。

 今振り返ってみると、母のやりたいことを私が奪っていったことになります。
自分で歩いていた母が車椅子を頼り、歩けなくなっていきます。
料理の得意だった母が、次第に包丁を使って果物さえ切れなくなっていきます。
ペンを持ってハガキに文字が書けなくっていきます。
商売人だったので話好きの母ですが、声が出なくなっていきます。

 全て病気のせいで次第に弱くなっていったものと私は解釈していました。
私がやったことは母の残存能力を活かすのではなく、逆に奪っていくことだったのです。
残存能力の低下は、気力の低下となっていき、しまいには「早く死にたい!」となったのです。

 この経験から、コンパスウォークでは無理強いはしませんが、
おせっかいを焼きたい人には役割を持たせることも大事だと考えています。
「Aさん、洗濯したタオルを畳んでいただけますか?」
「Bさん、いいよ!」
「Aさん、どうもありがとう!」

 きっと母は家族のおせっかいを焼くのが、生きがいだったに違いありません!

   石川シュウジ


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