殿、利息でござる!
- 投稿日:2023年 9月11日
- テーマ:その他
映画「殿、利息でござる!」は、歴史家・磯田道史による評伝「無私の日本人」に収録されている一編「穀田屋十三郎」を映画化したもの。この映画の舞台となった宮城県大和町の「吉岡宿本陣案内所」を訪れてみました。
250年前の江戸時代、重い年貢により夜逃げが相次ぐ仙台藩の宿場町・吉岡宿(現在の宮城県黒川郡大和町)に住む十三郎は、知恵者の篤平治から町を救う計画を聞く。それは藩に大金を貸し付け、利息を巻き上げて「庶民がお上から年貢を取り戻す」という逆転の発想でした。計画が明るみに出れば打ち首になるかもしれないという状況の中、十三郎と仲間たちは必死の節約を重ね、町のため、人のために、私財を投げ打ち、現在の貨幣価値にしておよそ3億円もの大金を水面下で集め、実現させたのです。この利息は約60年もの間支払われ、吉岡宿の人々を救ったことになります。
亡くなる前に十三郎が子孫に残した「家訓」は下記のような内容です。
・わたしのしたことを人前で語ってはならぬ
・これからも吉岡のために助力を惜しんではならぬ
この映画では、仙台藩の7代藩主・伊達重村という実在した人物を羽生結弦選手が演じ、
大きな話題となりました。羽生さんも、仙台のためになるのであればという地元愛から快諾したものです。
「無私の日本人」の心は、次世代に繋げていきたいものですね。
石川シュウジ