コンビニ人間
- 投稿日:2017年 1月22日
- テーマ:本
芥川賞作家村田紗耶香さんの「コンビニ人間」は平易な言葉であっという間に読み終える。
人間は誰もが自分が一番大切だと思っている。
自分が世の中には必要人間だと思っている。
というより、あなたが一番大切であり世の中に必要な人間であると
思われたいのである。
「私はこちらの人間、あなたはあちらの人間」と
差別することで自分を上にも見せたいのも人間である。
この本を読みながら誰にでもある心理であり共感する部分が多い。
個性の時代と言われながら、次第に没個性の自分となっていく過程が面白い。
中学校の同級生に精神科医の斎藤環くんがいるが
彼は「ヤンキー化する日本人」の中で
どれだけ日本人の無意識にヤンキー性が潜んでいるかを語っている。
(以下は、斎藤環くんのインタビュー記事より)
僕がヤンキーと言う場合、それはもはや不良や非行のみを意味しない。むしろ、彼らが体現しているエートス、すなわちバッドセンスな装いや美学と、「気合い」や「絆」といった理念のもと、家族や仲間を大切にするという一種の倫理観とがアマルガム的に融合したひとつの〝文化〝を指すことが多い。
本物の不良や非行少年たちというよりも、彼らから派生した文化的エートスが、現在の日本文化のマジョリティを形成しているように思われるからだ。その本質を一言で言えば、「気合とアゲアゲのノリさえあれば、まあなんとかなるべ」という空疎に前向きなエートスである。
(以上)誰もが「あちらの人間なりたくない」と思いながらも
あちらの人間とつるむしかできない現代。
時代に流されることでしか生きられない現代。
自分の人生を自分で決めるという、単純明快な社会を創りたい!
(「コンビニ人間」からかなり脱線してしまいました)