昔より苦しくなっている!? 若い世代の住宅事情

  • 投稿日:2017年 8月15日
  • テーマ:住まい


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総務省「全国消費実態調査」より

我が家の東京に暮らす長男はこのお盆休みに帰省しなかった。帰るお金が無いという。
親が負担すると言えば「もうこれ以上迷惑かけられない」と返す。
息子の話を聞くと、「家賃の負担が重くて生活に余裕がない」
「食費や洋服代を節約しているのに、ぜんぜん貯蓄なんてできない」などと言う。
これはいったいどういうことなのだろうかと親として心配になる。
総務省が5年ごとに実施している「全国消費実態調査」の結果なるものを見つけた。

最新のデータは2014年に調査が行われたものだが、
その中でとくに「30歳未満の勤労単身世帯」の集計結果だけをみる。
大半は「親元を離れて仕事をしている20歳代の独身男女」と考えられる。

1か月平均の消費支出における費用項目ごとの割合(内訳)を表したのが上のグラフ。
(女性の統計もあるが今回は男性をみる)

男性では1970年代前半に5%未満だった住居費負担が、
2014年には25%と5倍以上に増大している。(女性も同様の傾向)

住居費負担の割合が増加する一方で、以前に比べて大きく減ったのが男女とも「食料」と「被服及び履物」。
「食料」の割合は1974年に男性の4割超、いまは2割前後。

それでは、住居費負担がこれほど増大しているのはなぜだろうか。
その要因のひとつは、賃貸住宅のグレードアップに伴う家賃の上昇である。
1970年代には大都市圏でも「風呂なし、共同トイレ、4畳半1間」の木造アパートがごく一般的。
それがやがて「3点ユニットのワンルーム」に置き換わり、
近年は単身者向けでも「バス・トイレ別の1Kや1DK」が多い。

部屋の間取りもだんだん広くなるとともに、RC造やSRC造の賃貸マンションの割合が増えている。
もちろん、住宅の性能や居住性が高まるのは歓迎すべきことなのだが、
それに伴う賃料水準の上昇に、収入の増加が追いついていないのは大きな問題である。
また晩婚化も大きく影響しているようだ。
かつては20歳代で結婚するケースも多く、早々に「30歳未満の勤労単身世帯」の
集計対象からは外れていたのである。
いずれにしても住居費負担が若い息子世代の生活を圧迫し、
その他の消費に回らないことは経済面でもマイナスになる。
住宅市場の将来を支えるべき若い世代が、毎月の家賃負担で疲弊している状態は問題である。
益々結婚できない状況に追いやられている。
国や自治体による支援策は「住宅購入・取得」に偏りがちだが、
もっと幅広く対策を講じていくことも必要だと思う。
中古住宅をリノベしてのシェアハウス、
つまり昔の長屋スタイルを好む若者もいる。

息子よ地元北上で働け!

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