ライフサイクルコストのわかりやすい例
例えば、50歳の人が同じようなプラン・規模・立地の2つの住宅のいずれかを購入しようと考えているとします。
- 〇〇不動産の住宅は3000万円
- △△ハウスの住宅は3500万円
両方の住宅に対して甲乙つけがたいほど、同じ価値を見出せるとすれば、「〇〇不動産の住宅の方が500万円得である」と判断できます。
次に、この人が80歳までの30年間、この住宅に住み続けたとします。30年間の長い時間の中で、一見同じ価値をもつように見えた両方の住宅に違いが出ました。△△ハウスの住宅は、とても強くて耐久性のある材料を色々な箇所に使用していたために、修繕があまり必要ではなく、修繕費が少額だったとしましょう。
- 〇〇不動産の住宅は30年間に1200万円
- △△ハウスの住宅は30年間に500万円
台風で壊れた部分を修理したり、何度も外壁を塗りなおしたりしている内に、30年間という単位で見れば、当初はお得と思われた〇〇不動産の住宅は、実は200万円も費用がかさみます。
もちろん、購入する50歳の時に、例えば3000万円の現金を所有していて、〇〇不動産の住宅であれば、全く借金をしないで購入できる、あるいは長い時間の中での経済状況や紙幣価値の変化など、実際にはこのような単純な話にはならないのですが、ライフサイクルコストを意識して購入することは重要です。
(以前にも書きましたが、トータルコストの中で初期費用(イニシャルコスト)と言われる建築コストは、わずか20%以下と言われています)