ノミとコップの話
- 投稿日:2022年 1月 8日
- テーマ:理念
花巻東高校野球部監督である佐々木洋さんは、
生徒の能力を開花させる指導者として名高いですね。
この佐々木監督は、私の母校である黒沢尻北高校のOBで、
かつて母校で生徒や保護者向けの講演があり、
丁度息子が在学中だったおかげで講演会に参加したことがあります。
佐々木監督は、「ノミとコップの話」を生徒に語ります。
ノミは体長2ミリ程度ですが、30センチも跳ぶことができます。
高さ20センチほどの瓶にノミを大量に入れると、ノミたちは当然のように、
その瓶からはみ出すジャンプを繰り返します。
しかし瓶にフタをしてしばらく置いておくと、
ノミたちは次第にフタのところまでしかジャンプをしなくなっていきます。
そして驚くべきことに、フタを外してみても、
どのノミもフタの高さまでしかジャンプをしなくなり、
瓶をはみ出してジャンプするノミはいなくなってしまうという実験の話でした。
思いこみの天井が出来上がるのです。
実はこの話には続きがあり、あることでこの状況を劇的に
変えることができると佐々木監督は話します。
普通に飛べるノミを1匹そこに入れ、そのノミが1回ピョンとジャンプをする。
するとほかのノミたちも、「ああ、自分はそういえば跳べるんだ」と我に返り、
何事もなかったかのように、元どおり30センチ跳び始めるのです。
(勝手に佐々木マジックの極意と命名)
実はこれは私たちの職場や様々な組織で実際に起こっていることです。
社内で毎日「ほめるメモ」を書いて交換しているのは、
本来持っている個人の能力(美点)に焦点を当て、
勝手な思いこみのフタを外すためなのです。
代表取締役 石川シュウジ