卒業式・第2ボタン
3月も、もうすぐ終わりですね。3月といって思い出す歌がありますか?
昭和36年生まれの私は、イルカ「なごり雪」、キャンディーズ「春一番」、
斎藤由貴「卒業」、柏原芳江「春なのに」、海援隊「贈る言葉」などが頭に浮かびます。
柏原芳江の「春なのに」は卒業の歌ですが、歌詞の中に「記念にくださいボタン」とあります。
そういえば、中学・高校と卒業式当日に、女子生徒が「第2ボタンが欲しい!」と騒いでいた記憶があります。
私にはボタンの思い出はありませんが、どうして第2ボタンなのでしょうか?
不思議に思った私は調べてみました。
所説ありますが、戦時中が由来という説をご紹介いたします。
第2次世界大戦末期、日本は学徒出陣で兵力を補いました。
物資が不足して軍服を準備することができず詰襟(学ラン)のまま入隊。
戦地に赴く前に「自分の分身だと思ってください」と、
形見として第2ボタンを渡したことが始まりという説です。
第1ボタンをあげると軍隊ではだらしなく見えるために、
目立たない第2ボタンが選ばれました。
昭和35年、映画「予科練物語 紺碧の空遠く」の中で、
主人公が特攻隊員として戦地に赴く前に軍服の第2ボタンを
好きな女性に渡したシーンがあり、
その後卒業式で第2ボタンを贈る習慣が広まったようです。
調べてみると戦時中の若い男女の純粋な
切ない思いを知り、身につまされます。
ウクライナでは、今この瞬間に起きている「今生の別れ」。
私に何ができるのか、問われています。
石川シュウジ