「OR世界」から「and世界」へ
- 投稿日:2024年 1月 6日
- テーマ:その他
面白い法則がある。800年ごとに西洋文明と東洋文明の趨勢が入れ替わり、
交互に世界を覇す秩序が生まれては消えるという法則である。
この法則を発見した歴史学者・村山節氏が看破した通り、近年の世界情勢を鑑みるに、
近代における人類の勃興を担ってきた西洋文明・西洋的価値観はその崩壊の時を
迎えているかのような現象を示している。
これからは東洋文明の時代に入っていると著者の服部匡成氏は書いている。
これまでの西洋の価値観は「A or B」で二者択一である。これは分かりやすく、
物事をはっきりさせる為には有効な考え方。ところが「or」は激しい対立を生み、
トランプ対反トランプ、EU離脱対EU離脱反対といった国を二分する状況を作り出しています。
これからの時代は東洋的「and」的調和の政界へと転換されると著者は指摘している。
もともと日本は「and」的発想が得意な国柄です。仏教伝来時に神道を失うことなく取り入れたり、
漢字が入ってきてもやまとことばを失うことなく「漢字かな文字」を作っている。
対立的な反対運動ではなく、一見対立する意見をうまく取り入れるという
調和型折衝をするという発想への転換がこの混迷を打破し、
新たな時代への幕開けとなるのです。
これからの世界の安定と秩序を生み出すのは、「いずれか」だけではない、
「いずれも」を認める世界で得られるものとなるようです。
私は服部さんの講演を2度程聞いたが、
今まさにその通りに時代は動いているようです。
石川シュウジ