日本とスリランカの深い関係③
- 投稿日:2023年 1月17日
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演説をするJ.R.ジャヤワルダナ氏
サンフランシスコ講和会議で蔵相ジャヤワルダナ氏は、
日本を自由な独立国にすべきこと、日本への賠償請求権を放棄することを主張。
その理由を次のように述べています。
「それは、我われアジアの諸国と日本との間には、
長い間続いてきた深い関係があるからであります。
また、アジア諸国の中で日本だけが独り強力にして、
しかも自由で、そのために我われは日本を、保護者であり、
また友であるとして見上げていたからであり、
そして、アジアの隷従(れいじゅう)人民が日本に対して抱いてきた
高い尊敬のためであります。
我われは、アジアの限りなく多くの人々の生き方を気高いものにした、
あの偉大な導師の言葉、『憎しみは憎しみによって消え去るものではなく、
ただ愛によってのみ消え去るものである』という言葉を信ずるからであります。
これは仏教の創始者であるブッダの言葉であります。
この条約案は、敗北した敵に対して、公正であると同時に寛大です。
我われは日本に対して友情の手を差し伸べましょう。」
会議では、自由主義陣営が警戒するソ連が日本に厳しい条件を
突きつけようとしたのを、ジャヤワルダナ氏が演説の中で痛烈に
批判。このこともあり会場のオペラハウスのガラスが割れん
ばかりの拍手が巻き起こりました。
アジアの小国の主張が世界を動かした瞬間でした。
ジャヤワルダナ氏の演説のおかげで、我が国は復興に邁進し、
今日の繁栄の礎を築くことができたのです。ブッダの精神を
持って手を差し伸べてくれたジャヤワルダナ氏。
まさに日本の恩人なのです。 石川シュウジ