あえて、小さな家に暮らす


わが家は小さな家です(田舎の岩手県では)。今から10年前に当時家族6人で住む家を建てました。
以前住んでいた家は100坪の総二階建て。店舗兼住宅で居住部分は約60坪ありましたが、
台所兼事務所が1階、浴室や寝室・客間は2階という商売を優先した間取りでした。
母が介護を必要とする身となり、全く2階に上がれません。
いつも台所兼事務所が母の寝室になっていました。
母のこともですが、介護する妻も次第に限界になり家を新築することになったのです。
新しい家は1階が20坪、2階が16坪の計36坪の家になります。
基礎工事が終わり母に工事現場を見せると
「おまえは小屋でも作るのか?」と言われたものです。
10年経ち、母は他界し3人の子どもたちはそれぞれ独立又は大学生となって
現在は妻との二人暮らし。
1階だけでも十分に暮らせるので、もっと小さな家にすれば良かったと反省しています。
30坪を切る家でも十分に暮らせます。

10年暮らしてみて感じるのは、小さな家は生活導線は短いしい、掃除機もチャチャッと終わります(笑)。
収納場所がないから、ものを増やせませんから買いません。(いや買う金がないだけかも・・・)
このように狭い家は節約につながります。

子どもが独立する前は小さな家にワイワイとごちゃごちゃしても楽しいものです。
以前書いた「生きるリスク」に対しても有効です。



生きるリスクを考えると「小さな家」


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岩手の家を暖かく変える「ぺっこ暖」の絆すてーしょん・石川です。
コト設計士(商標登録)の私と「しあわせの家」の続きについて考えましょう!

最近高齢のお客様と打ち合わせをしていると、「私たちは年金暮らしだからお金がなくて、リフォームしたいのだけど先行き不安で・・・」とか「石川さん私たちの家や不動産買ってくれないかしら!」などと言われることが多くあります。

2011 年厚生労働省の発表では、日本人平均寿命は女性85.9歳、弾性79.4歳となりました。長生き出来ることはとても素晴らしいことですが、私ももうすぐ 52歳で徐々に人生の終わり方を考える年齢となり老後の資金の事を考えると不安になってきます。現在私にはリタイアした後の残りの人生をゆっくり楽しむま での預金はありません。更に国からの公的年金も予定通りいただけるかどうかも全く怪しいものです。これまでの人生は若くして家族を残す「死ぬリスク」を考 えれば良かったのですが、長生きするという「生きるリスク」を年々考えなければならなくなってきていることを実感しています。

例えば、退 職する65 歳から平均寿命の85 歳までの20年間の必要な生活費を考えます。生命保険文化センター調べでは、ゆとりある生活費の平均額は月38 万円ですので、仮に必要な年間の生活費を400 万円とします。(私たちの年代では公的年金をいただけたら儲けものと考えましょう!金利もゼロと考えます。)単純に年400 万円を20 年間使うには65 歳の時に8,000 万円が必要になります。25年生きれば1億円の資金が必要になります。はっきり言って私には逆立ちしても無理な金額です。この金額も元気に暮らすことを条 件としていますので、長生きするとそれに伴い病気をしたり介護が必要になるともっと沢山の資金が必要となってきます。私たち日本人にとっていつまで長生き するのか、これこそが一番のリスクとなったのです。金利ゼロの日本は世界では異常な国なのです。

私の仕事は住宅のリフォーム工事を請け負うものです。住宅も経年劣化していきますので維持管理するコストが発生してきます。大きな家にはそれ相当のコストがかかります。大きなお屋敷には固定資産税 がかかります。右肩上がりの時代には不動産を持つことは資産として価値のあるものでしたが、これからの日本では売れない不動産は大きなリスクとなっていく のです。ですから一番最初に書いた様に私に不動産を買ってはくれまいかというお客様がいるのです。更に大きな家を建てて失敗したと嘆くのです。息子たちは あてにならないし・・・とも言います。

少子高齢化社会では、住まいや不動産が今後資産ではなくリスクとなる時代であることを十分に考慮しな いといけません。岩手県の大きな家は尚更リスクが高いのです。大きな住まいをお持ちのお客様に減築を勧めるのもこれからかかるランニングコストが大きなリ スクになるからなのです。こんなことを書くと、リフォームの仕事がこなくなって廃業しなければなりませんね!特にも定年退職をされセカンドステージを見据 えてリフォームを考えている方には大切なお話だと思います。

私が学び自宅で実践している「住育の家」は小さくても暮らしやすい家ですので、これからの時代のヒントになると思われます。



「しあわせの家」について考えてみましょう!(その4)


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岩手の家を暖かく変える「ぺっこ暖」の絆すてーしょん・石川です。
コト設計士(商標登録)の私と「しあわせの家」について考えましょう!

「しあわせの家」を実現するような住宅産業のあり方を真剣に議論しよう

(麗澤大学経済学部教授 清水千弘さんより)

住宅市場には多くの産業や専門家が関わっています。生産をする人、設計をする人、それを売る人、ローンを貸す人、中古流通をさせる人、住宅情報を流通させる 人、リノベーションをする人、価格を決定する人、滞りなく決済をする人など実に多くの方々が関わります。日本の中でも巨大産業の一つといっても良いのです。

現在の住宅産業は、人口が増加し、経済が成長をし、住宅が不足している時代に作られたビジネスモデルの延長線上にあります。また、最近では中古住宅の流通シス テムを考えるにあたり、米国のビジネスモデルに注目する動きが出てきています。しかし、米国は依然として人口が増加しているために需要が供給よりも強く、空き家の増加が象徴しているようにそれが逆転してしまっている日本とはある意味違う市場を比較しているといえます。そうすると、そのビジネスモデル、産業を 比較しようとしてもあまり意味がありません。そもそも米国で家を買った人たちは、日本人よりも効用が上昇しているのか、「しあわせ」になっているのか、というこ とを考えないといけません。部分的なものを見るのではなく、根本的な部分を比較しなければならないのです。

住宅産業に関わる人たちは「しあわせの家」を提供し続ける主体でない限り、市場から淘汰されてしまうと考えた方が良い。資産価格がそれほど大切ではないと いう立場に立てば、住宅の資産価値を決める専門家は不要ということになります。中古流通をさせる人は、家が不足している時代には「売り手」主体にビジネスを考えていれば良かったかもしれないが、空き家が多くなるなかでは、売り手が弱い立場となり、買い手主体でのビジネスモデルへと転換していかなければならなりません。地域の中にある家を守り続けるような地域に密着した地場産業への発展かもしれないし、一層進化するIT技術に基づいた住宅流通のさせ方を全く変化させ てしまうような産業へと変革していくかもしれません。住宅市場を変革・再生させるような、「新産業」の登場が必要になってくるものと考えます。

現在の住宅市場では、まだまだ多くの人たちが、住宅を買うことで不幸になってしまっていると考えます。
「しあわせの家」を実現するような住宅産業のあり方を従来の既得権益や規制を超えて、真剣に議論をし、実践していく時代に突入しているようです。

終わり

市場から淘汰されないよう、コト設計士としてすべきことが沢山ありそうです。
最後までお読み頂きありがとうございます。



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