日本人よ! 胸を張りなさい!



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老台北(ラオタイペイ)こと蔡焜燦(サイ・コンサン)さん享年90歳が、
ご逝去されたのが2017年7月17日。早いもので6年が経過しました。

作家・司馬遼太郎の『台湾紀行』(『街道をゆく』シリーズ第40巻)の中で、
老台北(ラオタイペイ)と紹介されていることは有名なお話しですね。
私は7・8年前に台湾を訪問。本の中に書かれていた司馬遼太郎と蔡焜燦が初めて逢った、
台北の老舗アンバサダーホテルに宿泊したことがあります。
「台湾紀行」を片手にしながら、ホテルの中を散策し、
二人が出逢ったであろう場所を探したものです。

さて蔡焜燦さんは、大の親日家という範疇を超え、私たち日本人に
胸を張りなさいと日本精神(リップンチェンシン)を生涯貫いた方になります。

蔡さんの信条は、台湾総督府で戦前、民政長官を務めた後藤新平の言葉でした。

「金を残して死ぬものは下だ。仕事を残して死ぬものは中だ。人を残して死ぬものは上だ」

日本精神とは「社会という『公』に尽くす心」であり、蔡氏は1人でも多くの日本人や台湾人に、
私財をなげうって「公の精神」を伝えてきました。
蔡さんは数多くの「人」を残して、旅立って行ったのです。

蔡さんは、日本人として祖国を誇りに思い、そして台湾人となってからも
日本を愛し、憂い、励まし続けました。

 改めて「台湾紀行」を読みかえしてみたいものです。

          石川シュウジ

明日は、日本精神(リップンチェンシン)について書きます。



みちのく忠臣蔵~相馬大作事件~

  • 投稿日:2023年 7月11日
  • テーマ:

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先日、利用者様が読んでいる本が気になり声を掛けてみると、「相馬大作事件」に関する本だという。
「石川さんなら知っているよね?」と問われても、残念ながら知らない。
そこで、早速「文政四年の激震〈相馬大作事件〉を購入して読んでみると、面白い。
というより、知らないでいたことが恥ずかしい!

 盛岡藩の家臣だった大浦氏が作った弘前藩は、豊臣秀吉の小田原征伐の時、
当主の大浦(津軽)為信がいち早く小田原へ参陣し、秀吉から所領を安堵され正式に大名となった。
元家臣が大名に成り上がったことに盛岡藩は激怒。これが両藩の確執の始まりであり、江戸時代も続くことになる。

 文政三(一八二〇)年、盛岡藩の藩主・南部利敬が、三十九歳の若さで急死。
養子で十四歳の利用が後を継ぐが、若さゆえに無位無官であった。
その頃、石高の見直しがあり十万石となった弘前藩は、藩主の津軽寧親が従四位下に叙せられていた。
盛岡藩で兵学を教えていた相馬大作は、家臣筋の弘前藩が、官位で上になったことに悲憤慷慨し、
寧親に辞官隠居をしないと実力行使に出るとの果たし状を送る。
この警告が無視されたため、大作は大砲と鉄砲で武装した盛岡藩士を率い、
江戸から弘前へと帰る寧親の大名行列を襲撃するのである。

 結局この襲撃は仲間の密告によって失敗、大作は藩を出て江戸に逃れますが、
同年幕吏に捕らえられ翌年獄門の刑に処せられます。
しかしこの事件によって寧親は隠居に追い込まれたことから、
結果的には秀之進の目的は達せられたということになります。

 この事件は、主君の仇を討った赤穂四十七士になぞらえ、"みちのく忠臣蔵"とも呼ばれ、
幕末から明治にかけては講談や芝居の人気演目として江戸庶民にも親しまれていたという。
幕末には、長州藩の吉田松陰が東北遊歴の旅で、大作を偲び漢詩を読んでいます。
当時の過熱ぶりが伝わってきます。

 

 江戸庶民の、「南部びいき」のベースには、源義経の「判官びいき」が

見え隠れしていると考えるのは旧南部生まれの私だけでしょうか!

       石川シュウジ



バカと無知

  • 投稿日:2023年 6月 3日
  • テーマ:

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 橘 玲(著)「バカと無知」なんと過激タイトルの本だろうか。

・バカは自分がバカであることを気づいていない。なぜならバカだから。

・バカは知らないことを知らない

私はこの本を読み始め、「バカって、どうしようもないなあ!」
とほくそ笑んでいたのも束の間、自分がバカであることを
認識していないのはないかということに気が付く。
これは笑える。

 この本の中では、「やっかいな自尊心」について多くの紙面を割いている。
人間は社会的な動物であるが、生物として生存競争を勝ち抜き、
子孫を残す為には、常に相手より有利でいたいという感情がある。
これが様々な場面において、やっかいを引き起こす「自尊心」として取り上げている。

 自尊心は自己肯定感とも言われるが、相対的な評価であるために
その場面場面で変化するもののようだ。
「美人って得だよな!」と周囲が考えても、美人は小さな時からチヤホヤされているので、
それが当然のことであるために自分が幸福だとは思っていない。
人間は環境に慣れしまい、次第に当たり前のことだと考えるようになっていく。

 

 近年の脳科学では、自分より下位の者と比べる下方比較では報酬を感じ、
上位の者と比べる上方比較では損失を感じることが分かっている。

 ネットニュースでアクセスを集めるのは「芸能人と正義の話題」。
SNSで不道徳な者がさらし者にされるのは、「正義の鉄槌」で自分より
優れた者を蹴落とすことが、最大の娯楽だからである。
自分は正しい。

 

 人間の本性から世の中を見ると、残酷な真実が見えてくるようだ。
このように知ったかぶりをするのもバカだから。
 石川シュウジ

                              



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