「ハラケイ」と「ハラタカシ」どっちが本当?
- 投稿日:2024年 2月23日
- テーマ:その他
第19代内閣総理大臣「原敬」の読み方は、「ハラケイ」と「ハラタカシ」のどちらが正しいのか、知っていますか? 実はどちらも間違いではなく、「ハラタカシ」は本名、「ハラケイ」は愛称です。
原が総理大臣として活躍していた頃、盛岡の人たちは、尊敬と親しみを込めて「ハラケイさん」と呼びました。現在、原敬の史料を保存・展示している「原敬(ハラケイ)記念館」と、原が 46 年間書きつづった「原敬(ハラケイ)日記」は「ハラケイ」の読み方を名称にしていますが、これ以外は「ハラタカシ」と読みます。
「一山」の雅号と「一山百文」の落款印
原敬は、晩年、「一山(いちざん)」の俳号と「一山百文(」ひとやまひゃくもん)の落款(らっかん)印をしばしば使いました。戊辰戦争の時、新政府軍が東北を蔑視して言ったとされる「白河以北一山百文」(白河の関〝現在の福島県白河市 より北は、山ひとつ100 文の価値しかない)にちなんだものです。10代の多感な時期に敗戦を経験し、薩長全盛時代に賊軍とされた東北出身者として生きた原の、強い反骨精神の現れといえますね。
石川シュウジ
自民党幹事長室の額「宝積」
- 投稿日:2024年 2月22日
- テーマ:その他
この原敬の座右の銘は「宝積(ほうじゃく)」。
「宝積」とはお経の「宝積経(ほうしゃくきょう)」を指し、この経の本義に「人を守りて己を守らず」とあります。これは転じて「人に尽くして見返りを求めない」という意味で、原が同経を実践しようとしたもので、生き方が単的に表された言葉といわれています。
実は自由民主党本部の幹事長室には、原敬の直筆でこの「宝積」が掲げられております。
現在の幹事長は茂木敏充氏。現在、資金管理団体の使途不明金問題が取り沙汰されておりますが、毎日幹事長室でこの額をバックに、「宝積とは、金を積むことじゃ!」と間違った解釈のもと、若手議員に見返りを求めているのかもしれませんね。
政治家は"清廉潔白"でなければならないとは言いませんが、せめて幹事長には宝積の真の意味を学んで欲しいものですね。
石川シュウジ
宝積(ほうじゃく)
岩手県の偉人に、第19代内閣総理大臣を務めた原敬がいる。生前、原はよく「宝積(ほうじゃく)」という言葉を揮毫している。仏教用語で「尊いものを積み重ねる」という意味と言われている。しかし、彼がこの言葉を使う時、若い頃学んだ聖書の言葉を思い浮かべていたのではなかろうか。原は 17 歳でキリスト教の洗礼を受けている。
聖書に「天に宝を積め」という言葉がある。本当に価値あるものは、目に見える地位や財産ではない。目に見えないものにこそ価値があるという教えである。
岩手という厳しい自然環境で育ち、賊軍と蔑まれながらも理想とする社会を創ろうとする反骨精神が、「宝積」という座右の銘には込められているのではないかと思います。
上手くいかない時も、くさることなく天を相手にコツコツと努力することですね。
石川シュウジ