ヤングケアラーって何?


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子どもが家事や家族の世話をすることは、ごく普通のことだと思われるかもしれません。
お手伝いすることは、人間形成にとって大切なことだと私も思います。

しかし、ヤングケアラーは、年齢等に見合わない重い責任や負担を負うことで、
本当なら享受できたはずの、勉強に励む時間、部活に打ち込む時間、
将来に思いを巡らせる時間、友人との他愛ない時間など、
「子どもとしての時間」と引き換えに、家事や家族の世話をしていることがあるのです。
核家族化が進み近所との付き合いも減っているのも一因になります。

さて最近マスコミでも取り上げられるこの「ヤングケアラー」とは、
本来大人が担うと想定されているような家事や家族の世話などを
日常的に行っている子どものことを言います。


周囲の私たち大人が気付き、声をかけ、手を差し伸べることで、
ヤングケアラーが「自分は一人じゃない」「誰かに頼ってもいいんだ」と思える、
「子どもが子どもでいられる街」を、みんなでつくっていきませんか!(厚生労働省)


こういうのは他人事で簡単なことです。

しかしその実態さえも把握されていないのが問題なのです。
    石川シュウジ



母ちゃんを通わせたい施設6 


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母の介護をきっかけに、子育てから介護までが楽にできる
小さな家を建てたのが2009年になります。
この家の一番の特徴は、脱衣所~浴室~トイレが並んでおり、
通り抜けることができる間取りになっていることです。

 妻・利佳子が長い時間立っているのが、キッチン前になりますよね!

そこを動線の基準と考え、水回りを近くに並べます。

家事をする場合は、ほとんどが同時に進行と

なります。食事を作りながら、洗濯、お風呂の掃除、

さらに母の介護もしなければなりません。

 母は自分でトイレの用を足すことはできましたが

たまに粗相することもあります。
その場合妻がトイレで脱がせ、脱がせた衣類は浴室で洗うのですが、
通り抜け出来るためにDKを通ることがありません。
予洗した後は隣の洗濯機に入れて完了です。

 何よりも家族に見られることがないので、
母の誇りを護ることにつながるのです。
これには更にメリットがあるのです。
粗相した場合お尻を洗うのがとても簡単です。
浴室の壁には手すりがあり、母は立ったままシャワーでお尻を洗ってもらえるので
気分良くベッドに戻ることができるのです。

 ある日妻が泊りで、私と母だけで過ごす日がありました。
母は粗相をしてしまい、自分で始末しようとしますがなかなか上手にいきません。
余りにもトイレが長いので私が覗いてみると一人で格闘しておりました。
息子には声を掛けられなかったのだと思います。

 嫌がる母の下着を脱がせ、浴室で母のお尻を洗います。
「誰もが通る道なので仕方がない!」という私の声に、母は涙ぐみます。
私は顔を見られないようにしておりました。 つづく

          石川シュウジ

*この間取りは子育てにも楽ちんなのです。
料理をしながら、小さな子どもが「お母さん、ウンチ出たよ!」と
呼ばれても、動線が短いので即対応できます。
お漏らししても、浴室で予洗して洗濯機へポイ!
子育てと介護は同じ動線となるのです。




母ちゃんを通わせたい施設5


母の介護に始まり、次々に私の周りにトラブルが発生していきます。
家族の為に働けば働くほど、溝が深まっていきます。
そこには仕事と言って様々な問題から逃げる私がいたのです。

 そんな中、京都の宇津崎光代さんという方の講演を聞く機会がありました。
住まいが家族関係に大きな影響を与えるという「住育」という考えでした。
その講演を聞きながら「私は何のために仕事をしているのか?」と
自分の人生を振り返り自問自答していきます。
結果「幸せになるために働いている。」ことに気が付きます。

宇津崎さんの「住まいで仲良し家族になれる!」
その言葉に私はいちるの望みをかけます。

崩壊寸前の家族関係を修復する最後のチャンスだと思ったのです。

 帰宅するなり妻に「母のために家を新築したい!」と告げますが、
これまでの不徳の致すところで相手にしてくれません。
でも最後のチャンスと考えている私に取っては必死です。
そこから2年程時間を要しますが、小さな家が完成し、
家族6人で引っ越しすることになりました。


小さな家ですが、高断熱高気密住宅で家中温度差がありません。
廊下を無くし動線を短くし、足が不自由な母にとっても使いやす間取りにしました。

 この「住育の家」建設にプロとしての技術を注ぎ込みましたが、
何よりも込めたのは「幸せの根源は家族」という思いでした。
「この家族とこの家さえあれば何もいらない。」そう覚悟を決めての再出発でした。

 
すると不思議にもこれまでのトラブルが、次々に解決されていったのです。つづく・・・

  

      石川シュウジ

*断熱や間取りについては、改めてじっくりお伝えいたします。



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