介護保険制度における住宅改修の問題


介護保険の認定を受けている場合、住宅改修費を20万円まで支給してくれる
住宅改修給付事業制度の概要については、昨日の通信に書きました。

この制度は在宅の要介護者にとってはありがたいものですが、
利用者はもちろん家族やケアマネージャーといった関係者の中で、
「建築」や「住宅改修」に詳しい人間はそういないことから、
さまざまな問題が発生しています。

例えば制度の利用において、利用者の負担する費用が少ない為、
サービス利用側が工事内容を問題視することが少ないことが原因です。
「20万円の工事費用の中で、自己負担が2万円だから、こんなもので仕方がないかな!」
というものです。
住宅改修といっても、手すりの取付や段差改修などの、対処法的な工事で終わっています。

これまで弊社でも介護保険を使っての住宅改修工事を数多く施工しておりますが、
現在は基本的にお断りしております。
理由は、打合せの回数とその拘束時間が長いために、営業経費が必要以上に掛かること。
20万円という給付金に縛られるために、最終的に利用者様にとって満足のいく改修にはならなく、
私たちもお役に立ったという喜びにならないからです。

ケアマネージャーさんは、基本的に利用者様の金銭的負担を
少なくしようと考えてプランを考えていると思います。
だからこそ20万円以内の工事だと、ご家族に話しやすいという
心理的なことが影響しているのかもしれません。
しかし一例を上げると、50万円あったらトイレ改修工事ができるとします。
介護保険から20万円給付されるだけでも本来は有難い話なのです。
狭い範囲の住宅改修だけではなく、家族全員が快適に使えるリフォームの提案も、
選択肢の一つとしてあった方が良いと私は考えます。

これからの大介護時代は、在宅時間が長くなることも考慮して、
住宅改修にも根本的な対策が必要になるのです。

最終的には、利用者様やご家族で決めることですが、
介護リフォームにも様々なケースがあることを是非知っていて欲しいですね。

石川シュウジ



廊下のない家(子育てが楽)


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先日我が家のリビングから直接トイレに入る写真をアップしました。
驚いた人も多かったと思います。
本日はその図面をご覧に入れます。
LDKから引き戸を開けるとトイレがあります。
洗面化粧台との仕切りもなく広々としておりますので
車椅子でも楽に出入りできますね。

さて赤いラインをご覧ください。
我が家の浴室は出入口が2つあります。
トイレ~浴室~洗面所と一直線につながっています。

実はこれがとても使い勝手が良いのです。
実例を挙げて説明いたしますね!

子どもがトイレで用を足しています。
お母さんはキッチンの前で料理をしています。
「お母さん出たよ!」と子どもから呼ばれて
トイレに行ってみると・・・
なんとお漏らししてパンツが汚れています。

しかし全く慌てることはありません。
まずはパンツを脱がして汚した衣類を
折戸を開いて浴室に置きます。
次にシャワーでお尻を洗って
綺麗さっぱりとしてあげます。

汚した衣類はLDKを通ることなく
洗面所で予洗して洗濯機へポイ!

これは介護でも同じことになります。
子どもの例を出しましたのは
イメージしやすいからです。

誰もが嫌なことはできれば考えてくないと思っているはずです。
介護の話は、友人や職場の仲間には話しにくいものです。
苦労している話はしても、下の話をすることはないでしょう。
実の親の恥ずかしい様子を話すことはありません。

どんなに会社で明るく振舞っていても
自宅に帰ると現実が待っています。

介護が楽な間取りは
介護される人にとっても
介護する人にとっても
子そだて中の親にとっても
使いやすいのです。

この図面を見て「これならいいな!」と思った方は
そのまま真似されても結構です。
普通の工務店では絶対に提案できない間取りですので
きっと反対されると思います。
その際はご連絡ください(笑)!
実体験と信念がないと提案できないからです。

写真や図面を公表したのは
少しでも子育てや介護する方
特にも家族の中で一番負担を強いられている
女性の不安を解消したいからです。











廊下のない家(介護が楽)


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この写真は、リビングから引き戸を開けるとトイレという間取りになります。
実はこの写真は我が家のものです。
トイレの中には洗面化粧台と便器が並んでいます。
きっと誰もが「えっ~!」と驚くと思います。
今から12年前に、母の介護状態が次第に重くなり
母のために新築することになりました。
私たち夫婦は日中共稼ぎで家にいません。
母が一人で生活することを大前提にして
間取りを決めたものです。
車いすで簡単に移動できるよう引き戸とし
トイレと洗面所をあえて仕切りなしにしております。

母のための住宅ではありましたが
結局は、介護する人(妻)にとっても
楽ちんな家なのです。

何よりも私にとっても楽ちんな家となりました。
以前アキレス腱を切ったことがあります。
松葉杖での生活でしたが
我が家には母の車いすがあります。
浴室にはシャワーいすもあります。
何よりも身長183㎝の私が
トイレで足を伸ばすことができたことが
一番助かったことです。

自分の体験談としても、廊下のない家
仕切りのないトイレで良かったと思っています。

誰もが自分が弱くなっていく姿を想像したくないと思います。
しかし、誰もが年齢を重ねると
これまでできていたことができなくなっていくのが現実です。

「介護が必要になったらその時に考えるから!」
多くの方が同音異口に言われます。

しかし実際に病気になった時
介護が必要になった時は
先行きが不安でお金の掛かる改修工事なんて
考えることさえままならなくなるものです。

転ばぬ先の杖ではありませんが
元気なうちに終の棲家を考えての
リノベーションをおススメいたします。

我が家が見学可能ですので、ご予約ください。







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