室温と体感温度の違い
- 投稿日:2021年 1月16日
- テーマ:ぺっこ暖 / アンチエイジング・ハウス / ライフサイクルコスト / 人生を変えるリノベーション / 住まい
ここでは室温と体感温度の違い、輻射熱の影響についてご説明します。
人が暑いと感じたり、涼しいと感じたりするのは
室温のみに原因があると誤解されがちです。
しかし室温=体感温度ではないのです。
体感温度は、室温だけではなく身の回りの物体から放出される
輻射熱(赤外線)によっても大きく変化します。
例えば、断熱材の効いていないお部屋で
真冬にストーブを炊くと
ストーブに向いている顔やお腹側が暑いのですが
背中側や足元が寒く感じます。
これは背中側の壁と床の輻射熱で体感温度が下がるためです。
上の画像のように同じ室温20℃であっても
床・壁・天井面の温度(表面温度)の違いで
体感温度が変わってくるからです。
これは、簡易的な体感温度の計算式ですが
この計算式にしたがうと、体感温度を上げためには
室温だけでなく、床・壁・天井面の温度を上げることが重要になります。
床・壁・天井面の温度を上げるためには
この構造体に蓄熱させる必要があります。
床・壁・天井面に熱を蓄えさせるためには、
住宅の「断熱」・「気密」が何よりも重要なのです!
病は家から
- 投稿日:2021年 1月15日
- テーマ:アンチエイジング・ハウス / ライフサイクルコスト / 人生を変えるリノベーション / 住まい / 理念
※ 脱衣所で冬に寒いと感じる頻度が「よくある」「たまにある」と回答した者を寒冷群、「めったにない」「全くない」と回答した者を温暖群に分類
出展:林侑江、伊香賀俊治、星旦二、安藤真太朗:住宅内温熱環境と居住者の介護予防に関するイベントヒストリー分析-冬季の住宅内温熱環境が要介護状態に及ぼす影響の実態調査-日本建築学会環境系論文集第81巻第729号、(2016.11)
住宅の室内温度と介護のリスクに関するデータをご紹介いたします。
この研究では、家における脱衣所の室温を2℃高くするだけで、
健康寿命が4年延びるという調査結果が出ております。
つまり介護が必要な期間が減ることになります。
一昨日のブログでは、一般的な
健康寿命と平均寿命の差について書きました。
本来は人それぞれ健康で暮らせる年齢と
介護を必要とする機会は違います。
個人では不確定要素があるからです。
将来の設計をする場合に、この平均値を参考にしながらも
科学的根拠によってリスク管理をすることが重要です。
室内温度を2度上げることで4年健康寿命が延びるのであれば
積極的に取り入れることをおススメいたします。
「病は気から」と言いますが
寒さを我慢するのが美徳ではありません。
「病は家から」なのです。
そのためには寒さを我慢せず
室内の熱源となる暖房機器を有効に活用することです。
合わせて家の断熱リフォームをすることで
エネルギー効率が高まります。
先立つお金が無いよ!
という方は、昨日のブログで
年金の受給時期について考察しております。
命あってのお金です。
健康寿命を延ばすためには
最初に室内環境を良くする断熱リフォームに
お金を使うことが最優先だといえますね!
健康寿命ともらえる年金を考える
- 投稿日:2021年 1月14日
- テーマ:アンチエイジング・ハウス / ライフサイクルコスト / 人生を変えるリノベーション / 理念
私は今年還暦を迎えます。
つまりあと5年すると年金が貰えるので、現実味が増してきました。
そので気になるのは、年金を何歳からもらうか。
一般的に「60歳」「65歳」「70歳」の節目が選択肢になります。
現在の年金制度は65歳支給の年金額を基準にすると、
60歳から繰り上げ受給すれば生涯30%減額、
逆に70歳まで我慢して繰り下げ受給すると
生涯42%割り増しの年金をもらえます。
厚生年金の標準モデル(夫の年額約188万円)で計算してみると
60歳では受給額が約132万円、
70歳では受給額が約266万円となり
計算上では2倍の差がついてきます。
日本人の健康寿命は男性72歳になります。
健康寿命の72歳までの年金総額を比べると、
60歳受給の約1577万円(12年分)に対して
70歳受給を選んだ場合は約532万円(2年分)で
約1000万円の差がります
(図参照)
年金総額は男性の平均寿命(81歳)でほぼ"トントン"になり、
それ以降は70歳受給が逆転します。
元気な60代で年金を我慢、体の自由がきかなくなる
80代から多くの年金をもらうことが賢い選択と言えるのでしょうか?
はなはだ疑問です。
ましてこの数字は平均的なものになりますので
個々の健康状態を考えると
はなはだ怪しいものになります。
「元気なうちに繰り上げ受給し、
人生を豊かにするために年金を使う」
この考え方がは決して的外れではないと
私は考えております。
次回は、その年金を何に使うのかを
考えてみたいと思います。