「死」から遠ざかる現代

  • 投稿日:2022年 3月 7日
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ここ数日書いている「死なないリスク」からの延長で、
私の頭の中は「死」に対する思考が未だに続いております。

私は20歳で父を亡くしました。24歳で祖母、
50歳で母とこれまでに3回喪主を務めております。
人生の中で一度も喪主をしないでしまう人が多い中で、
珍しい部類に入ると言えます。
この経験から人間は突然に亡くなることや、
逆に病気を機に介護を必要とし次第に弱くなっていく姿を見てきています。

 つまり「死」というものは、常に私たちの「生」と隣あわせであるという感覚があります。

 かつての葬儀は地域の共同体で取り仕切り、弔うものでした。
多くの段取りは親類や地域の人がお世話してくれて、喪主はただ座っていれば良かったものです。

祖母が生前、「葬儀のお金は心配しなくても大丈夫。
普通に地域の方とお付き合いしていればなんとかなる。苦しい時はお互い様。」と言っていました。
実際に私の住む藤根野中では、商売をしていない一般家庭の葬儀であっても、
参列者は100名を切ることはありませんでした。
葬儀の受付でのお返しの品は最低でも150個は準備したものです。

ところが現在では、葬儀は葬祭会館となり、家族葬が主流となっています。
同じ藤根地区の方でも、お亡くなりになったことさえ知らないでいることがあります。

かつてはお盆の行事や法事など、先祖(死者)との繋がりを感じる生活習慣が、
身の回りに色濃くあったと思います。この行事も次第に廃れてきています。

祖母の、「最後(死んだ時)は地域の人がなんとかしてくれる!」と生きていた時代。
最後まで自己責任で準備しないといけない現代。
死んだ後の事まで考えなければならないのであれば、今を楽しむ余裕もない訳ですね。

地域で看取り、地域で弔う「ご縁社会」を復活させたいものですね! 

        石川シュウジ

リスクの語源


昨日の通信に「死なないリスク」のお話をしましたが、
ところで「リスク」ってなんでしょうか? 
私たちの頭の中では、「リスク=危険」と直結しまい、
これから起こる悪いイメージがあると思います。
ですから日本が長寿社会となり、「死なないリスク」とか、「生きるリスク」
とかという言葉を聞いただけで、気分が落ち込んでしまいますよね。
長生きすることが、まるで悪いことをしている様に感じてしまいます

リスク(risk)は古い言葉に由来します。
ローマ時代のラテン語からイタリアへ伝わった
「リズカーレ(risicare)」がその語源だとされています。
リズカーレはもともと船乗りのことでした。
たとえば中世のヴェネツィアあたりには、
東方貿易で一攫千金を狙う船乗りたちがおりました。
荷物を狙う海賊を蹴散らし、断崖絶壁や岩礁の間をくぐり抜けていく船乗り。
彼らリズカーレがやがて「勇気を持って試みる」意味で用いられるようになりました。

以上の歴史を踏まえると、「リスク」を「危険」の意味だけで
理解するのは正しくないことが分かると思います。
リスクとは危険を承知で「挑戦すること」なのです。

もちろん失敗した場合、それなりの痛手を被ります。
しかし、うまくいけば挑戦した者だけが得られる喜びを手にすることができます。
それは「挑まない者」の手には決して入らない喜びです。

歳を重ねるということは、見たことのない世界へ一歩一歩踏み入れていくことになります。

コンパスウォーク北上鬼柳に通う利用者様は、皆「挑戦者」になります。

これから見える知らない景色を十二分に楽しんで、見えたものを私に教えてくださいね!

        石川シュウジ



「死なない」リスク 


日本人の多くは生命保険に加入しています。
スイスRe社発行の機関誌「sigmaNo.4/2020」によると、
2019年の世界の生命保険の収入保険料は約320兆円で、
日本は全体の11.7%に当たる約37兆円を占めています。
世界人口の1.6%でしかない日本ですが、世界2位の市場規模となっているのです。
それくらい日本人は生命保険が大好きなのです。

生命保険はいろんなリスクに備えることができます。
しかし多くの日本人が「自分が若くして死ぬ確率」を大きく見積もっているのではないでしょうか?

ここに「客観的事実」がひとつあります。
「5% vs 95%」これは60歳定年前に死亡する人と、
定年後に死亡する人の割合になります。
若くして死ぬリスクは5%になります。

あなたが新卒として働き始めると同時に生命保険に加入すると、
22歳から60歳までのあいだに456万円を保険料として支払うことになります。
大きな買い物になっています。

「不安に対する安心料」を払うことは当然ですがが、
実際には過剰な備えとなっていることがしばしばです。
改めて生命保険の保険料と中身を見直すことも大切になっています。

 現在かんぽ保険の養老保険では80歳、
アフラックのがん保険では85歳まで加入できるものもあります。
保険の加入年齢の引き上げをみても分かる通り、
「死ぬリスク」よりも「死なないリスク」の方にシフトしていることは明白です。

 個人的には「死ぬリスク」を恐れる方に重きを置いている人が多いと思いますが、
医療や介護そして保険やあらゆる経済活動は統計数字を読み、
「死なないリスク」を前提にして社会が動いていることは確かなことです。

 どうせ死なないのであれば、発想を切り替えて人生を思いっきり楽しんでみませんか!

絆すてーしょんとコンパスウォーク北上鬼柳は、全力で応援したします。

                   石川シュウジ



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