日本の「次世代省エネ住宅」は、イギリスでは危険住宅


イギリス住宅の健康・安全評価基準.jpg
「次世代省エネ基準」と聞くとかなりハードルが高く
高性能な住といったイメージがあると思います。

1999年3月、当時の建設省により改正された日本の断熱化基準の通称である。
この基準により、先進国の中では最低だった日本の住宅の断熱基準が、やっと欧米基準の最低レベルに達するようになった。ただし、次世代省エネルギー基準も、多くの先進国の断熱基準よりゆるく設定されている上、法的拘束力が無いため、日本の住宅の断熱化率は先進国の中でも最低である。

2010年にドイツで行われたパッシブハウスカンファレンスにて
日本の次世代省エネルギー基準の値を発表したら会場から笑いが起こった。
さらに、この基準が義務ではなく努力目標であり、
住宅の30%以下しか達成出来ていない事を発言したら会場から失笑を買った。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

上の図は世界で最も健康基準が厳しいと言われているイギリスの住宅の評価表。
「寒い家は住人の健康を害する」という考えから
住宅の室温基準は19℃とされています。
特に10℃を下回るような家は「命に危険を及ぼす家」だと警告され、
新築できないばかりか、既存住宅にも改善命令が出されるほどです。
つまり日本の次世代省エネ基準で建てた家は、イギリスでは危険住宅とみなされるのです。

この「次世代省エネ基準」というのは1999年に出来てからこれまで
計算方法や区分の改正がありますが大きく変わっていません。

次世代省エネ基準を満たしていることイコール
健康を守る家ではないのです。



国は何を恐れているのか?


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新住協って知ってますか?
一般社団法人新木造住宅技術研究協議会の略称です。
絆すてーしょんも会員となって活動しております。
今から約20年程前にリフォームを始めた頃からの会員です。

国は今から22年前の1999年に次世代省エネ基準を制定しました。
現在の住宅省エネ基準は、この時の基準とほぼ同じ水準です。

2015年、2020年にはこの省エネ基準を義務化するという
方針が出されましたが、結局義務化は見送られました。
2021年4月から、新築住宅が省エネ基準を満たしているかどうかを
供給者、設計者が施主様に告知する義務があるという
とても奇妙な法律が施行されます。

告知する義務はあるが、省エネ基準を守る義務もなく罰則もありません。
つまり無断熱の新築住宅を販売しても全く罪にはならないのです。

新住協では2002年から新在来木造マニュアルを会員に配布し
これまで研鑽してきました。
昨年2020年に新しいなマニュアルを配布しておりますが
2002年のマニュアルがベースで改良されたものです。
基本的にオープン工法なので、施主様もビルダーも
このマニュアルを購入することができるのです。
一部のビルダーだけが独占してる技術ではありません。

一体国は何を考えているのでしょうか?
一体国は何を恐れているのでしょうか?

昨年からのコロナ禍の国の対応を見ていると
まったくの無策ということで共通していますね。

この20年間で、日本の住宅の省エネ基準は
世界に大きく遅れをとりました。

次回は世界との差をお伝えいたします。






鉄骨造の家が寒い理由


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このカラフルは写真はサーマルカメラで撮影したものです。
昨日のブログで紹介した断熱内窓を取り付けした現場です。
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なんとスマホに差し込むだけの簡単なものなのです。

この赤外線カメラからわかるのは、
窓の断熱効果が可視化できたことですが
実は意外なことが見えてきます。
この住宅は積水ハウスで建てました。
積水ハウスは、軽量鉄骨造の大手ハウスメーカーです。
写真で青く格子状に見えるのが鉄骨の躯体です。
つまり壁に断熱材を入れても鉄骨は冷たいことが
一目瞭然ですね!
鉄は熱伝導率が高いので
冬は冷気を、夏は暖気を伝え易いのです。

人間の体感温度 ≒ (室温+表面温度)/2

表面温度とは、室内の床・壁・天井の平均温度になります。
断熱性能が低い家の場合、外気の影響で壁などの表面温度が冷却されます。
つまり暖房して室温を上げても、表面温度が変わらないと
体感温度はなかなか上がらないことになります。

軽量鉄骨造の家では、床・壁・屋根に使われている
鉄骨が表面温度を下げてる一番の原因です。








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