「死なない」リスク 


日本人の多くは生命保険に加入しています。
スイスRe社発行の機関誌「sigmaNo.4/2020」によると、
2019年の世界の生命保険の収入保険料は約320兆円で、
日本は全体の11.7%に当たる約37兆円を占めています。
世界人口の1.6%でしかない日本ですが、世界2位の市場規模となっているのです。
それくらい日本人は生命保険が大好きなのです。

生命保険はいろんなリスクに備えることができます。
しかし多くの日本人が「自分が若くして死ぬ確率」を大きく見積もっているのではないでしょうか?

ここに「客観的事実」がひとつあります。
「5% vs 95%」これは60歳定年前に死亡する人と、
定年後に死亡する人の割合になります。
若くして死ぬリスクは5%になります。

あなたが新卒として働き始めると同時に生命保険に加入すると、
22歳から60歳までのあいだに456万円を保険料として支払うことになります。
大きな買い物になっています。

「不安に対する安心料」を払うことは当然ですがが、
実際には過剰な備えとなっていることがしばしばです。
改めて生命保険の保険料と中身を見直すことも大切になっています。

 現在かんぽ保険の養老保険では80歳、
アフラックのがん保険では85歳まで加入できるものもあります。
保険の加入年齢の引き上げをみても分かる通り、
「死ぬリスク」よりも「死なないリスク」の方にシフトしていることは明白です。

 個人的には「死ぬリスク」を恐れる方に重きを置いている人が多いと思いますが、
医療や介護そして保険やあらゆる経済活動は統計数字を読み、
「死なないリスク」を前提にして社会が動いていることは確かなことです。

 どうせ死なないのであれば、発想を切り替えて人生を思いっきり楽しんでみませんか!

絆すてーしょんとコンパスウォーク北上鬼柳は、全力で応援したします。

                   石川シュウジ



介護保険制度における住宅改修の問題2


先日3月2日に、介護保険制度を使って住宅改修する際の問題点を上げました。
介護保険からの支払い限度額18万円に固執する余り、手先の小工事となり、
抜本的な解決にはなっていないことが多いのです。

突然介護が始まり、本人もご家族も気が動転するのはごく普通のことです。
増してや介護保険の詳細について理解するのはプロでも難しいことなのです。

日々の生活を少しでも楽にしてあげたいと、ケアマネージャーを筆頭に多くの介護スタッフが
全力を尽くしてサービスを提供しております。
私たちのデイサービスも、機能訓練に特化して残存能力の維持や向上に務めており、
それ相当の効果があることを実感しております。

しかしデイサービスに滞在している時間は、24時間の中の約8時間だけであり、
それも一週間の中で1~4日と限られているのです。
圧倒的にご自宅で過ごす時間が長いのです。

今日本では人生100年時代は、遠い話ではなく近未来のことになります。
75歳で要支援となっても今の平均寿命から考えても10年以上は生活をしなければなりません。
医学の進歩により、平均寿命も延びていきますので、益々自宅で暮らす時間が長くなるのです。

私たちは「死ぬリスク」に意識がいきがちですが、
実はこれからの社会は「生きるリスク」の方に意識を変えていかないといけないようです。

在宅介護を考える場合、本人が自分で生活できる環境を整えることで、
ご家族の負担も大幅に軽減されるのです。
10年、20年というスパンで考えなければならない時代となりました。

住宅改修工事費を、単なる「費用」としてではなく、
リスクを回避する「先行投資」として考えてみた方が良さそうです。  
           石川シュウジ



介護保険制度における住宅改修の問題


介護保険の認定を受けている場合、住宅改修費を20万円まで支給してくれる
住宅改修給付事業制度の概要については、昨日の通信に書きました。

この制度は在宅の要介護者にとってはありがたいものですが、
利用者はもちろん家族やケアマネージャーといった関係者の中で、
「建築」や「住宅改修」に詳しい人間はそういないことから、
さまざまな問題が発生しています。

例えば制度の利用において、利用者の負担する費用が少ない為、
サービス利用側が工事内容を問題視することが少ないことが原因です。
「20万円の工事費用の中で、自己負担が2万円だから、こんなもので仕方がないかな!」
というものです。
住宅改修といっても、手すりの取付や段差改修などの、対処法的な工事で終わっています。

これまで弊社でも介護保険を使っての住宅改修工事を数多く施工しておりますが、
現在は基本的にお断りしております。
理由は、打合せの回数とその拘束時間が長いために、営業経費が必要以上に掛かること。
20万円という給付金に縛られるために、最終的に利用者様にとって満足のいく改修にはならなく、
私たちもお役に立ったという喜びにならないからです。

ケアマネージャーさんは、基本的に利用者様の金銭的負担を
少なくしようと考えてプランを考えていると思います。
だからこそ20万円以内の工事だと、ご家族に話しやすいという
心理的なことが影響しているのかもしれません。
しかし一例を上げると、50万円あったらトイレ改修工事ができるとします。
介護保険から20万円給付されるだけでも本来は有難い話なのです。
狭い範囲の住宅改修だけではなく、家族全員が快適に使えるリフォームの提案も、
選択肢の一つとしてあった方が良いと私は考えます。

これからの大介護時代は、在宅時間が長くなることも考慮して、
住宅改修にも根本的な対策が必要になるのです。

最終的には、利用者様やご家族で決めることですが、
介護リフォームにも様々なケースがあることを是非知っていて欲しいですね。

石川シュウジ



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